「夜の映像は白黒で、犯人の服の色も車の色もわからなかった」——防犯カメラの夜間映像には、長いあいだこの弱点がありました。暗い場所では赤外線を使った白黒の映像に切り替わるのが一般的だったためです。

ところが最近は、AIによる画像補正と高感度のセンサーによって、夜でもカラーで撮影できる防犯カメラが増えています。この記事では、福岡市で防犯カメラの設置・工事を行う家物語グループ福岡が、夜間カラー撮影の仕組みと選び方、そして知っておきたい注意点を解説します。

夜間撮影の3つの方式

方式 夜の映像 使う光 特徴
赤外線暗視 白黒 赤外線(人の目には見えにくい) 真っ暗でも映る。色の情報は残らない
白色ライト付きカラー カラー カメラの白色ライトが点灯 色が残り、光による警告にもなる。周囲へのまぶしさに配慮が必要
AI補正の高感度カラー カラー 街灯・非常灯・月明かりなど、その場にあるわずかな光 強いライトを点けずに色を残せる。光がまったくない場所では補助の光が必要

このほか、ふだんは赤外線で撮り、人や車を検知したときだけライトを点けてカラーで記録するタイプもあります。屋外用カメラの基本は「屋外用防犯カメラの選び方」で解説しています。

なぜ暗くてもカラーで映るのか

1. 光をたくさん取り込む明るいレンズ

レンズの明るさはF値という数字で表され、小さいほど多くの光を取り込めます。夜間カラーに強い機種には、F1.0前後のとても明るいレンズを使ったものがあります。

2. 弱い光をとらえる高感度のセンサー

光を電気信号に変える部品(イメージセンサー)が大きく高感度になり、人の目では暗く感じる場所でも、色の情報を拾えるようになりました。

3. AIによる画像補正

暗い場所で撮った映像には、ザラザラしたノイズが出ます。従来は、ノイズを消そうとすると細部までぼやけてしまうのが課題でした。最近の機種は、AIが「ノイズ」と「本来の映像」を見分けて補正することで、明るさと細部の両方を保ちやすくなっています。メーカーによって「AI-ISP」などと呼ばれる技術です。

※各メーカーが開発を競っている分野で、性能は機種によって大きく異なります。

色が残ると、何が変わる?

手がかり 白黒の映像 カラーの映像
服の色 濃いか薄いかしかわからない 「赤い上着」「青い作業着」と伝えられる
車の色 白とシルバーの区別がつきにくい 色と車種で絞り込みやすい
持ち物・積み荷 形だけ 色や柄も記録できる

赤外線の映像では、素材によって実際の色と明るさの見え方が変わることもあります。色の情報は、人物や車を絞り込むうえで大きな手がかりになります。

工場・倉庫・駐車場で役立つ理由

  • 広い敷地を一晩中照らさなくても記録を残しやすい:照明の電気代や、近隣へのまぶしさを抑えられる可能性があります
  • 夜間・休日に出入りした車の色がわかる:無人の時間帯の記録として役立ちます
  • ライトで周囲を強く照らさない:住宅が近い場所でも使いやすい

一方で、明かりには犯行をためらわせる効果もあります。センサーライトと組み合わせるなど、「記録」と「抑止」の両方で考えるのがおすすめです。

どのくらいの明るさがあればカラーで映る?

明るさは「ルクス」という単位で表します。おおよその目安は次のとおりです。

場所・状況 明るさの目安
事務所の室内 約300〜750ルクス
街灯の下 約数〜数十ルクス
満月の夜 約0.2ルクス
月のない星明かりの夜 約0.001ルクス

夜間カラーに強い機種は、街灯や非常灯の明かりが届く場所なら、十分にカラーで撮影できます。月明かりほどの暗さでも色を残せるとうたう機種もありますが、暗くなるほどノイズやブレは増えます。敷地のどこが、夜にどのくらい暗くなるかを知っておくことが、機種選びの出発点です。

※明るさの数値は一般的な目安です。

知っておきたい5つの注意点

  1. 光がまったくない場所では色は出ない:窓のない倉庫の中などでは、補助のライトか赤外線が必要です
  2. 動きの速いものはブレやすい:暗いほど、走る人や車がブレて映ることがあります
  3. 強い光で白く飛ぶことがある:車のヘッドライトや逆光には、明暗の差を補正する機能(WDR)が有効です
  4. カタログの数字だけでは比べられない:「最低照度」の測り方はメーカーごとに違います
  5. 設置環境で結果が変わる:街灯の位置、壁や地面の色、雨や霧でも映り方が変わります

導入前に、実際の設置場所に近い条件で夜の映像を確認するのが確実です。

選び方のチェックポイント

  • 夜の現場の明るさ:街灯や非常灯があるか、完全に暗くなるか
  • 何を記録したいか:顔、車の色、ナンバー、作業の様子
  • 補助ライトの点き方:常に点灯/検知したときだけ/点けない、を選べるか
  • 画質と明暗の補正:必要な解像度とWDRの有無(→「4KとフルHDの違い」)
  • 検知と通知:人や車を見分けて知らせる機能(→「AI機能付き防犯カメラ」)
  • 今の録画機・配線との相性:入れ替えの場合はとくに重要

家物語グループ福岡は取扱メーカーを限定していないため、現場の明るさと目的に合わせて機種を選定します(→取扱カメラ・機材)。

夜の映りを良くする設置のコツ

  • 強い光源を画面に入れない:街灯や照明が直接映ると、周りが暗くつぶれやすい
  • 近くの壁や軒の反射を避ける:白い壁がすぐそばにあると、反射で映像が白っぽくなる
  • レンズまわりを清潔に保つ:ほこり、クモの巣、水滴は夜の映像をぼやけさせる
  • 撮りたい場所に光が当たる向きにする:明かりのある方向を背にしてカメラを置く

日頃の手入れは「防犯カメラのメンテナンス」をご覧ください。

今の赤外線カメラから入れ替えるなら

  • 夜に重要な場所から:出入口・駐車場・資材置場など、優先度の高い場所だけ先に入れ替える
  • 既存の配線を活かせる場合もある:同軸ケーブルのまま夜間カラーに対応できる機種も出ています
  • 録画機の対応を確認する:新しいカメラの画質を活かせる録画機かどうか

工場での入れ替えの進め方は「工場の防犯カメラ入れ替え・交換ガイド」をご覧ください。

夜間カラーでよくあるご質問

Q. 真っ暗な倉庫の中でもカラーで映りますか?

A. 光がまったくない場所では、カラーでは映りません。補助のライトを使うか、赤外線の白黒映像で記録します。

Q. 赤外線カメラはもう古いのですか?

A. いいえ。真っ暗な場所や、光を出したくない場所では今も有効です。場所と目的に合わせて使い分けるのが基本です。

Q. 夜間カラーのカメラは高価ですか?

A. 機種によって幅がありますが、以前に比べて選びやすい機種が増えています。すべてのカメラを高性能にする必要はなく、重要な場所に絞って導入する方法もあります。

まとめ:夜の映像は「色が残るか」で選ぶ時代に

防犯カメラの夜間映像は、明るいレンズ・高感度センサー・AIによる補正で大きく進化しました。色が残ることで、人物や車を特定する手がかりが増えます。ただし性能は機種と環境で変わるため、現場に合わせた選定と、夜の映り方の確認が欠かせません。

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