銅線やケーブル、金属くずなどを狙った金属盗難が、全国で問題になっています。太陽光発電施設の被害がよく知られていますが、工場や資材置場でも被害は起きています。

金属盗難は、夜間や休日の無人の時間に、車で乗りつけて短時間で運び出す手口が中心です。「入りにくい・見つかりやすい・記録が残る」環境をつくることが対策の基本になります。この記事では、福岡市で防犯カメラの設置・工事を行う家物語グループ福岡が、工場の金属盗難対策を解説します。

金属盗難はどれくらい起きている?

年 認知件数(全国)
令和2年 5,478件
令和3年 7,534件
令和4年 10,368件
令和5年 16,276件
令和6年 20,701件
令和7年 15,712件

令和7年は前年より24.1%減りましたが、統計を取り始めた令和2年の約2.9倍の水準です。警察庁は、減少の大きな要因として太陽光発電施設でのケーブル盗難が減ったことを挙げています。

発生場所の内訳(令和6年)

発生場所 認知件数
太陽光発電施設 6,961件
工事現場 2,978件
道路上 2,586件
資材置場 1,406件
田畑 617件
工場 512件
その他 5,641件

出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」「令和7年の犯罪情勢」。金属盗は、被害品が銅板・銅線・溝のふた・マンホールなどの金属類である窃盗です。「工場」の集計は令和6年から始まりました。

金属盗対策法が成立

令和7年6月には、金属盗対策法(盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律)が公布されました。金属くずを買い取る業者への規制や、犯行に使われる工具を隠して持ち歩くことの禁止などが定められています。施行の状況や詳しい内容は、警察庁や各都道府県警察の案内でご確認ください。

工場で狙われやすいもの・場所

狙われやすいもの 置かれがちな場所
銅線・電線・ケーブル(ドラム巻き、端材) 資材置場、屋外のヤード
金属くず・スクラップ(銅、真ちゅう、アルミ、ステンレス) スクラップ置場、回収用のコンテナ
製品・部品・金型 倉庫、出荷場
屋外の設備(エアコンの室外機、配管など) 建物の裏手
溝のふた(グレーチング)・敷鉄板 敷地の外周、搬入路

侵入されやすい工場の特徴

  • 夜間や休日に、完全に無人になる
  • 敷地が広く、フェンスや建物の裏に死角がある
  • 道路からスクラップ置場や資材が見える
  • 夜の照明が少ない
  • 出入口が複数あり、車を横付けしやすい

防犯カメラの配置|優先したい5か所

  1. 敷地の出入口:出入りする車と、できればナンバーを記録する
  2. スクラップ置場・資材置場:狙われるもののそばを直接映す
  3. 外周フェンスの死角・建物の裏手:乗り越えやすい場所を押さえる
  4. 受電設備・屋外の配線・室外機:設備そのものが狙われることもある
  5. 建物の出入口・搬入口:建物の中への侵入を記録する

まず押さえたいのは、「車が出入りする場所」と「狙われるものの置場」です。

広い敷地でのカメラの組み合わせ方は「工場・倉庫の防犯カメラ」で紹介しています。

夜間の備え:3つを組み合わせる

1. 夜でも色が残る映像

金属盗難では、車の色や車種が重要な手がかりになります。夜でもカラーで撮れるカメラなら、白黒ではわからなかった情報を残せます(→「夜でもカラーで映る防犯カメラ」)。

2. 人や車を検知して、スマホに知らせる

無人の時間帯に人や車が敷地に入ったら、すぐにスマホへ通知する設定ができます。風で揺れる木や小動物に反応しにくい、人や車を見分ける機能が便利です(→「AI機能付き防犯カメラ」「スマホで見られる防犯カメラ」)。

3. 光と音で知らせる

侵入を検知するとライトが点いたり、警告の音声を流したりするカメラもあります。センサーと組み合わせる方法は「センサー連動の防犯」をご覧ください。

通知を受けて不審な人物を確認しても、自分で現場に向かわず、警察に通報してください。

通知を活かすための運用ルール

  • 誰が通知を受けるかを決める:担当者を2人以上にして、見落としを防ぐ
  • 夜間・休日の連絡の流れを決める:映像を確認する人、警察に通報する人、責任者への報告
  • 検知する範囲と時間帯を絞る:道路や隣の敷地を外し、無人の時間だけ通知する
  • 通知が多すぎないか見直す:誤った通知が続くと、本当の異常を見逃しやすくなる

カメラは「付けて終わり」ではなく、通知を受けてどう動くかまで決めておくと効果が高まります。

カメラとあわせて行いたい対策

  • 金属くずは屋内か、鍵のかかる場所に置く:道路から見えない位置に
  • ケーブルのドラムは固定し、施錠する
  • 門やフェンスを施錠し、出入口を減らす
  • 「防犯カメラ作動中」の表示を出す(→「抑止効果を高めるコツ」)
  • 在庫を写真と数量で記録する:被害にあったときの届け出に役立つ
  • 見慣れない車や下見に気を配る:近くの事業所と情報を共有する

被害に気づいたら

  1. 現場に触れず、警察に通報する
  2. 映像を保存する:上書きされる前に、該当する日時の映像を残す
  3. 盗まれたものを一覧にする:品名、数量、写真
  4. 再発を防ぐ:一度被害にあった場所は、再び狙われることがあります

映像が捜査でどう役立つかは「防犯カメラは検挙に役立つ?」で解説しています。屋外の資材置場や工事現場については「工事現場・空き地の防犯カメラ」もご覧ください。

工場の盗難対策でよくあるご質問

Q. 古いカメラでも、抑止の効果はありますか?

A. カメラがあること自体に一定の効果はあります。ただし、夜に顔や車が見分けられないと、記録としては弱くなります。見直し方は「工場の防犯カメラ入れ替え・交換ガイド」をご覧ください。

Q. 電源のない資材置場にも設置できますか?

A. 電源を引く工事や、太陽光で動くカメラなどの方法があります。現地を確認して、合った方法をご提案します。

Q. 休日の夜に通知が来たら、どうすればいいですか?

A. まずスマホで映像を確認します。不審な人物がいる場合は、近づかずに110番してください。

まとめ:金属盗難は「夜の記録」と「すぐ気づく仕組み」で備える

工場の金属盗難対策は、狙われるものの置き方を見直し、出入口と置場をカメラで押さえ、夜間の侵入にすぐ気づける仕組みをつくることが基本です。家物語グループ福岡は、電気工事士による自社施工で、屋外の電源工事からカメラの設定までまとめて対応します。

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